12. 漢方薬の個人的勉強

2007年3月16日 (金)

漢方と私

私は体を壊してから(というか、正確には臓器は壊れていなくて、神経だが)
今回時間がずいぶんかかったので、
その間漢方(日本の伝統医学、漢方薬+鍼灸)に妙に詳しくなってしまった。
漢方...似た症状に15年前になった時に初めて出会った。
職場の先輩の女性から鍼灸、後輩の体が弱くて西洋薬が
合わないという女性から漢方医を紹介された。
この2人が身近にいなかったら、あの時死んでいたかも知れないと、
2度目に罹った今回、改めて2人に感謝している。
そもそも化学の女な私は、漢方、とりわけ針灸整体は全く信じていなかった。
しかし、「西洋医学で治せない病気がある」という事を身をもって知った。
今後も漢方とは長いつきあいになりそうである。

明治以前の日本は医学といえば漢方で、2000年以上の歴史があり、
正当な医療行為であり、効かなければ打ち首にされたりしたから、
残っているもの効かないはずが無いという事だそうである。
確かにその通りだと思う。
最近知った漢方薬の構成「君臣佐使」;
・上薬 君  副作用の消去・軽減
・中薬 臣  上薬の薬効を増強するもの 
・下薬 佐使 治療効果の中心をなすもの
の考え方は実に「古くて新しい」と感心した。

そもそも西洋薬はこのような生薬から薬効成分だけを取り出したものだから、
結局は同じものなのだろうが、
「ともかく悪い所を叩く」という西洋薬の考え方に対し、
「良い所を維持しつつ悪い所を叩く」という漢方薬の考え方は、
医薬のみならず、全ての事に通じる素晴らしい思想だと思った。

もちろん、細菌に対しては西洋医学しか手がないから、両方あってこそだと思う。
しかし、病気になった事によって、異なる思想を知るよいきっかけになったと思う。

それに、漢方医の先生はみなさん熱心で感心する。
なにせ、今現役の最も旬な先生たちは大学教育で漢方が排除
されていた時代の方々なので、皆さん余分に勉強し修行しているわけである。
しかも、西洋薬との相乗効果まで調べているのは日本しかないと聞いている。

オリジナリティが無いと言われる日本人だが、だからこそ、
中国伝来の医学と、現在の中国医学と西洋医学をmixして、
日本医学こそが難病を治せる最も進んだ医学として
発展して行って欲しいと思った。

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2007年3月17日 (土)

瞑眩と副作用

漢方は薬も鍼灸も初期に一時的に症状が悪化する事がある。
これは、固定された症状・病態が薬によって動き出した際に
時々起こる現象で「瞑眩」と呼ばれているのだが、
何せ急性の症状がある場合には、漢方で悪化したように感じるため、
わかっていても、どうしても医師を信用できなくなってしまう。
何せ、漢方は数値的な証拠が無いので、医師の判定した私の
「証」が間違っている場合も、副作用も可能性があるわけで、
「この先生大丈夫かよ?」と常に懐疑的である。

ここにある丁宗鐡医師の本によると、
日本東洋医学会で漢方専門医を認定する制度があり、
それで漢方専門医を名乗っている医師もいるという事だが、
その中でも必ずしも漢方に詳しくない医師も含まれていると書かれている。
判断の目安は「エキス剤(ツムラNo.xx)」だけでなく煎じ薬も処方できる医師だそうである。

ところで、私が今通院している先生はドクターショッピングしてしまい3人目なのだが、
診療日の昨日、もう2ヶ月以上通っているのに、初めて瞑眩や
薬局でもらう効能書きが自分の病気と違うのにいいのかとか
エキス剤の効果的な飲み方の説明書をもらった。

「なんてかわいらしい!」

薬局に問い合わせが多いため急遽漢方治療を受けている患者さん全員に配る事にしたそうである。
実は私も薬局に問い合わせしてしまった1人である。
私の場合は瞑眩なのか副作用なのか前になかった症状が出た上、
確かに通常の漢方の本ではこの手の症状に使わない薬だったし、
具合もまだまだ悪い時期だったのでついつい問い合わせしてしまった。

開業して1年未満のクリニックである。
多分先生はインターネットで自分の診療方針を公開していて、
私のようにそれを見て来る患者も多いので、
ある程度漢方の知識がある人が来るのだろうと思っていたに違いない。
いやいや、先生、漢方主体の病院は今現在でもかなり知られてませんぞよ。
私もそうだったように、漢方医と中医の区別もついてないし、
ましてや先生のように看板に漢方と書いていないと、
漢方治療に不慣れな現代日本人には不安に思います。
前に漢方薬治療受けた私ですらそう思っちゃったわけですから。
でもその説明書きに
「当院の治療法は最初エキス剤を出し、効き目が悪い時には煎じ薬を出します。煎じ薬は保険が効くものもあれば、効かない
ものもあるので、効かない場合は事前にお知らせします。」
と書かれていたので、少し安心した。

「一応、煎じ薬を出せる医師なので信用してみますか...」

15年前と大きく変わったのはインターネットの普及により、
・先生の経歴
・先生の診療理念
が事前にわかるようになったことです。
それ以前に、「漢方のお医者さん探し」のホームページなどで
漢方専門医を探せるようになった事自体が
医療サービスを受ける側には本当に大きな力になっていると
思います。

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2007年4月16日 (月)

モチベーションの持ち腐れ

過去も今回も、自律神経失調症でお世話になった漢方薬。
曲がりなりにも化学の女の私も信じざるを得ない薬効と漢方の思想について、
もっと知りたいと思って都立大学(首都大学東京)のオープンユニバーシティの漢方薬の講座を聴講した。
最初は、講師の先生(布目慎勇氏)に、もっと本格的に漢方について学ぶにはどうしたらよいか聞く気で行ったが、
講義を聞くうちに残念ながらそれは難しい事が判った。
私の世話になっているのは中国の古典医学を元に江戸時代鎖国していた際に中国医学から分岐して出来た日本の伝統医学「漢方医学」(Kampo Medicine)。
中国を起源にしてはいるが、カタカナ・ひらがなの様に日本独自のものである。
これは、明治以降長い間根絶やしにされていたとはいえ、
正当な継承者は誰かと言えば、医師・薬剤師・鍼灸師であろう、
たとえ現在の医師・薬剤師が西洋医学に偏りきっていたにしても。
国の認可した正当な医療が引き継ぐべきである。
私は、私を治した、中医学の亜流と言われようともそれを改良した「日本の漢方医学」が知りたかったのだ。
さすがに今から医師・薬剤師になるには頭も金も時間も無い。
残念ながらこれは専門家に任せるしか無いようだ。
しかし一過性にしても、こんなに知りたい気持があるのに実にもったいない…
やむなく中薬(Chinese Medicine)でも勉強してみようかとも思ったが、
何と中国では医師・薬剤師は国家試験が無いそうなのである…
一部大卒もいるが、専門学校卒で、卒業すれば国家試験は無しで医師と名乗れるらしい。
日本人としては、そのいい加減さはちょっとねぇ…

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2007年4月17日 (火)

発掘!日本漢方協会漢方講座

昨日、医学部か薬学部に入らないと本格的な漢方講座は聞けないと書きましたが、
よくよく探したらありました!!
日本漢方協会の漢方講座!
多少お金はかかりますが、金匱会系のスター医師ばかりが講師の豪華な講座です。
私が以前診てもらっていた先生も講師。
「一般の方も」と書かれていたので、早速電話で問い合わせたら薬剤師さんが多いですが、OKとの事。
月1回で日曜日だし、もともと医師になりたい訳じゃないので 丁度いいかも。
しかし薬剤師は惜しかったかも…昔はあんなつまらない仕事は無いと思っていたし、実際、薬剤師の弟も調剤はつまらないと言っている。
しかし、今後医薬分業で、薬学部も6年制になり、医師と対等にし、予防医学は薬剤師側に持って行く政策らしい。
いずれにしても私や弟が学生の時代では、薬剤師は医師の下の存在でという冬の時代だったので、こうなった今だからこそ思う事なのだが。

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2007年4月26日 (木)

漢方マイブーム

先日、日本漢方協会の講座を受けると書きましたが、やはり積極的活動はもう少し待つ事にしました。
しかし一般向けの漢方薬の本はもう散々読んで、どうしてももう少し読み応えのある本が読みたくて、インターネットでいろいろと探したら、漢方のお医者さんが薦める漢方医学の入門書がみつかり、しかも医学書とは思えないわずか1,700円で買える事が判ったので、早速購入してみました。
しばらくはこれと首都大学東京のオープンユニバーシティの月一の講座で我慢しときます。
私は毎回診療を受ける度、主治医に、何故漢方のお医者さんになったのか、漢方について教えて欲しい、と、いつもいつも心の中で思っています。
科学とは別の思想の東洋医学…何なんだろう、これは。

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新装版 漢方医学

大塚 敬節(創元社)

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2007年4月27日 (金)

空振りの意気込み

漢方マイブームという日記を書きましたが、考えてみると
私はツムラやコタローの「インスタント漢方薬」しか
飲んだことがありません。
周りの漢方薬経験者に聞くと、皆さん、煎じ薬を飲んでいる...むしろ初心者過ぎる私...(笑)
マイブームな割には真の漢方薬を飲んでないじゃないか!!
というわけで、診療日の本日、主治医に「思い切って自費であっても生薬に切り替えたい」と相談したところ、
「エキス剤(インスタント)で十分効いている方だと思うので、
(私的には鍼灸の効果だと思ってますが....)、 そこまで必要ないでしょう。」
と言われて空振りに終わった(^^;。
結局、漢方生薬にお目にかかる事は無し。
「むむっ、残念!」...ってどういうことなんだってーの!
そこまでしなくて良い方が、良くなっているっていう事だから
いいんじゃないの?
完全に目的を見失っている...(笑)

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2007年5月 1日 (火)

続・漢方マイブーム

暇があると漢方関連の書物やネット検索をしてしまう私。
漢方は実に奥が深い。
あまりの深淵に、素人でどこまで関わっていいものやら、迷う。
世の中にこんなに奥深いものがあったとは。
しかも、針灸・薬局に至っては、
代々やっている家も多いから、
その研究量・ノウハウたるや、ただならぬ量である。

歴史との関わりも深い。
昔は僧侶が医者をやっていたから、
寺の宝物の古書が、中国・韓国伝来の医学書だったりするので、
文科系の人がこれに関わっている事も知った。
確かに科学的手法は新しく浅いと改めて認識させられる。
そして今日、新たな認識と難題に気付いた。
漢方を勉強するには「漢文」。
あの、何の役に立つのかと疑問だった、
国語に分類されていた漢文。
これは、正に中国伝来の医学書を読み解くためにあったのだ。

漢文は実に苦手だった。
利用用途不明なものは、マスターしかねると身が入らず、
いつも赤点ギリギリの成績だった。
今になって利用価値が判るとは。
こういう事も、医療に関わる家に育てばおのずと判った事なんだろうな。


今日の勉強成果

漢方薬の精神安定剤「柴胡加竜骨牡蠣湯」の読み方

さいこ か りゅうこつ ぼれい とう

柴胡湯に竜骨・牡蠣を加えたもの
柴胡(さいこ):ミシマサイコの根。肝臓機能調整、解毒、下熱、鎮静。
竜骨(りゅうこつ):骨の化石。心悸亢進、異常興奮、不眠。
牡蠣(ぼれい):カキの貝殻。鎮静、強壮、健胃、収斂。
これ以外の成分:半夏、桂枝、茯苓、黄今、大棗、生姜、人参、大黄

精神安定にCaが有効だということは科学の方で示されているが、
それと合致している。
竜骨→燐酸カルシウム
牡蠣→炭酸カルシウム
既に太古からそれが判っていたという事をしめしていると思うとさすが。

[今日の所まででの疑問点]
(1)竜骨は普通の骨では駄目なのか?
  化石では将来枯渇してしまうに違い無いと思うが...
(2)牡蠣以外の貝殻では駄目なのか?

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2007年5月17日 (木)

漢方薬と西洋薬について熱く語る

私は化学系なので、漢方薬をはじめとする漢方医学を全く信じていませんでした。
しかし、実際に効果があるとなると信じざるを得ません。

それで漢方薬/漢方医学、西洋薬の歴史や薬理学の入門書を読んだ結果、現在のところ以下のような見解です。

「そもそも漢方薬>>西洋薬 で当たり前」。

理由: 西洋薬はせいぜい100年位の歴史、しかも真っ当なモノに至っては20年位の歴史しかない。

それまでの長い間、東アジア人の病気を治してきた治療薬/治療法にかなうはずない。
効果があり副作用の少ない新薬が人類の英知を集めて手に入れられるようになったのは、せいぜいこの40年位なので、
そんな1人の人生も終わっていないような間に出来たものは、
危ないものばかりであって当然。
しかし、それでも知恵を集めて創っただけの事はあり、
漢方薬の時代には治せなかったものが治せるあるいは
症状を軽減させられるようになったのは大きな進歩。
漢方薬だって、現在の処方に至るまで人体実験で失敗を繰り返してきて得られた結果なので、その点は同じ。
西洋薬(新薬)は実はまだまだ駆け出しで、これからのものである。

これからいくつも失敗を繰り返して、多くの人命の下に信頼できる薬が誕生していくんだと思う。

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2007年5月21日 (月)

白朮と蒼朮

先の日記で書いた様に、私の今飲んでいる漢方薬、加味逍遥散は、
処方が、白朮と蒼朮の場合がある。
この質問を今日あった、首都大学東京オープンユニバーシティの漢方薬の講座を担当している、
元ツムラ・北里研究所の布目慎勇博士に聞いてみた。
ツムラの医療用漢方製剤を立ち上げた側の人だけあり、
「大変面白い質問です!」とツボだったよう。
古典でも白朮と蒼朮の場合があり、途中で再編して白朮に統一された時期があった。
昭和の漢方の大家、大塚敬節医師に聞いたりし、色々調べた結果、ツムラでは確実に薬効のあった蒼朮を採用したそうである。
「私もこの辺色々調べました。論文も随分書いた。」と嬉しそうだった。
もっと質問したかったが、他にも質問待ちの人もいるのでほどほどで退散。
ちなみに大学漢方薬研究はわずかに30年の歴史らしい。

なお、これまで生薬単体しか掲載の無かった日本薬局方だったが、
2006年版から、漢方薬6処方が、掲載されたそうだ。
何が載ったかまでは聞いてないが、
私の予想では
当帰芍薬散
加味逍遥散
桂枝茯苓丸
十全大補湯
葛根湯
八味地黄丸

さてさて正解やいかに?

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2007年5月22日 (火)

正解発表

1 加味逍遥散(婦人)
2 葛根湯(風邪)
3 苓桂朮甘湯(ノイローゼ)
4 補中益気湯(虚弱)
5 大黄甘草湯(便秘)
6 柴苓湯(下痢)

なんと、正解率僅か33%(2問)…
当帰芍薬散は本命だと思っていたのにぃ~がまん顔

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